早稲田大学国際教養学部生のGlider Life

カリフォルニア大学アーバイン校に留学中の、早稲田大学国際教養学部2年生。大学から始めたグライダーに魅了され、これから世界各地を飛び回ることを夢見る早大生のブログ。

FAA Private Pilot Glider License JCAB書き換え申請までのプロセス

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Leesburg Airport, Floridaを離陸 Disney Worldに向かうC172

日本もいよいよソアリングシーズンがやってきました。大学で航空部に入部し早くライセンスを取得したいと考えている人はかなりいると思います。その時に、日本の大学によっては天候や部員の数などの関係で、航空部と名乗っているのにも関わらず十分にフライト時間を確保できていない人も多くいると思います。

グライダーが本当に好きな人であるならば、ライセンスを早く取得して、一人で翔びたいと願う人がいるはずです。短期間で、ライセンスを取得するとなると思う浮かぶのがアメリカではないでしょうか。

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Florida Disney World 上空 C172より

 

今回は、これからアメリカなどでPrivate Pilot Gliderのライセンス取得を考えている人のために、渡米前に準備しておくべきもの、JCABライセンスへの書き換えの手順などについて、経験を踏まえた上で書いて行こうと思います。

 

アメリカでライセンスを取得してから、JCABライセンスを手にするまでには最短で4ヶ月程度はかかります。過去にアメリカでライセンスを取得した先輩方はこれ以上の期間がかかっていました。

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Leesburg Airport, Florida

 

概要

渡米前にすること

  1. 自家用操縦士学科試験を受験(法規のみ合格してれば良い)
  2. Flight Schoolを決め、Instructorに連絡
  3. IACRA申請、Instructorから申請許可をもらう(https://iacra.faa.gov/IACRA/Default.aspx)
  4. 航空特殊無線技士取得
  5. Amazon で必要教材を購入し、Written Examのために勉強を進める
  6. ライセンス書き換え用の書類を鳳文書店(http://www.hobun-books.com/)
    で購入(アメリカライセンス書き換えセット滑空機の航空経歴書が必要)

訓練開始後

 

  1. 初ソロ出て、JCABライセンスの基準を基ににソロをためる
  2. Written Examを受験し、合格(受験のためにはInstructorからのendorsementが必要)
  3. Check Rideに向けて、Instructorと最低3回のFlight Training
  4. Check Rideの日程が決まり、IACRAのサイトから申請を行う
  5. Oral Exam(1-2時間程度)、Check Ride 3発
  6. 合格したら、その場でTemporary License 発行(アメリカでは試験合格後からすぐに飛行可能
  7. 試験合格後、2〜3ヶ月後自宅にライセンスが到着
  8. JCAB ライセンス書き換え書類を記入し、航空局へ提出(Temporary licenseでは申請不可)
  9. 航空局へ書類を提出後、1〜2ヶ月で自宅へ交付書到着
  10. 申請料金を振込み、1ヶ月程度でライセンス現物到着
  11. JCAB ライセンス到着後、航空身体検査を受診
  12. 航空身体検査合格後、日本で飛行可能

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Seminole Lake Glider Port 訓練開始

 

1、自家用操縦士学科試験(法規のみで可)合格

 

アメリカに渡米する前に、学科試験(法規のみ合格)に合格していることでJCAB

ライセンス書き換えに無駄な時間がかかりません。必須ではありませんが、合格しておくことをおすすめします。

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初ソロ祝いでステーキ

 

2、Flight School を決める

早めにSoaring Society of America(https://www.ssa.org/)のサイトなどを参考にして、どこで、どれくらいの期間でライセンスをとるのか計画をしましょう。

About Soaring→New To Soaring→Where To Flyの順にクリックするとアメリカ全ての滑空場、並びにフライトクラブが出てきます。これを見る時には、機体の種類、価格、営業日、commercial operation(visitor用の運営、基本的に料金は高い)をやっているのか確認する必要があります。

commercial operationをやっていないクラブでは短期間でライセンスを取得することはできません。基本的には、地元の方々が週末にフライトをしており、年会費と入会金を納めれば会員になることができます。留学などで1年間アメリカにいることができるならば、ユース会員として日本の指定養成程度の金額でライセンスを取得することができます。基本的には21歳以下の学生のためにの優遇制度があるところが多く、曳航料金と年会費だけ払えば良いクラブが多いため、機体費用やinstructor費用がかかりません。

 

また、アメリカで国際滑空記章などにトライするためには、SSAの会員である必要があるので、SSAのサイトから事前に登録をします。基本的にweb上かメールをで登録することができ、22歳以下なら年会費40ドルです。メンバーになると、毎月グライダーの雑誌がアメリカから送られてきて、技術的なことから、滑空場の近況報告などの情報が盛りだくさんです。非常に充実した雑誌なので、アメリカに行く予定がない人も会員になると有益な情報が手に入ると思います。

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Floridaの夕方に襲うスコール

 

また、オーストラリアで国際滑空記章の銀章にトライする際にもGliding Federation of Australiaの会員になる必要があり、簡単にサイトから登録ができます。すぐに会員番号が発行されます。加えて、銀章を日本航空協会に提出する場合は、日本滑空記章の銅章が必須です。(ずっと日本で飛んでいる場合は当たり前のことなので気にする必要なし)もし、オーストラリアで銀章に挑戦するならば、事前に銅章を所持しておいてください。私の場合はアメリカで夏にライセンスを取得し、冬にオーストラリアへ銀章達成のために行きました。その時に、日本滑空記章、A/B/C/銅章を所持していなかったため、申請に4ヶ月かかり、無事今日認定されました。事前に、国際滑空記章の規定も確認し挑戦しましたが、2月に新橋の日本航空協会を訪問したところ、日本滑空記章の銅章が必要との指摘を受けました。これから挑戦する人は注意してください。

 

3、IACRA申請

IACRAを申請する目的は、日本で言う練習許可書を手に入れるためです。サイトからPrivate Pilot Gliderの申請を行い、現地のInstructorから許可が降りると発行されます。もしこれが発行されていないとアメリカでソロフライトに出ることができません。訓練開始の3ヶ月前にはInstructorに連絡を入れてください。私の場合は発行までに3ヶ月程度かかりました。もし申請が遅れて、カードの現物が届かない場合でも、サイトからダウンロードできる紙のものでソロフライトに出ることも可能です。早めの準備を。

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New York マンハッタン上空

 

4、航空特殊無線技士取得

もし、航空部2年生ならばすでに取得済みだとは思いますが、日本に帰国後ソロフライトをするためにはこの資格が必要です。アメリカでは、private pilot glider certificateに無線資格が含まれています。FloridaのSeminole Lake GliderportのBlanik,

Grobには無線はありませんでした。しかし、先日訪問した、Moriarty Airportでは陸上単発機の訓練も行われていたためradio communicationが必要でした。ライセンス取得する際には、ATC communiationの勉強も行います。

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FloridaのCloud Street

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Check Ride 合格 フランクリンさんと


5、Written Examの勉強をすること

アメリカにも、日本の学科試験と同様のものがあり、一通りの座学を終えるとInstructorからendorsementをもらうことができます。近くの空港などでWritten Examを受験することが多いです。渡米前にAmazonで教材を購入し90%以上確実に取れるようにしておきましょう。訓練開始後は、基本的な知識がないと、アメリカで訓練してもトレーニング期間が長くなる可能性が高くなります。ぜひ、他のことに集中するために着実に勉強を進めておきましょう。アメリカで短期間でライセンスを取得することは、日本と求められている量は変わりません。1ヶ月程度でライセンスをとるには朝から晩までグライダーのことを考える必要があり、勉強しなくても簡単に取れるという安易な思い込みでアメリカに行くことはやめた方が良いと思います。おそらくすぐに訓練をやめることになると思います。

Written Exam の問題集は以下のリンクから購入することができます。

この他にも、必要な教材があるので、訓練開始後のことも含めて、後日紹介したいと思います。

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DG800

 

Moriarty, New Mexico 遠征

3月22日から4月2日にかけて、New Mexico, Moriarty Airportに行ってきました。今回はこれまでと違い非常に短い滞在となりましたが、新たな地で飛ぶことにより経験を積むことができました。

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Moriarty1日目のcloud street

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New Mexicoでバッテリーが上がり交換

1, Moriarty Airport Sundance Aviationについて

Moriarty Airportはニューメキシコ州の中心都市から、車で50分(45mile)程度のところに位置しております。当該空港は、日本など滑空場とは違い、グライダーに加えて小型飛行機の訓練が行われております。Moriartyの利点は抜群のソアリング環境です。Online ContestによればMoriartyはクロスカントリーがもっとも行なわれており、約35人ほどのパイロットがグライダーを楽しんでいます。Moriartyの他には、Minden-Tahoe, Texas, Utah(Nephi), Floridaなどがあります。オーストラリアの滑空場とは異なり、基本的にはMoriartyの地元の方々がグライダーを楽しんでおり、日本人である私が行った際は大変驚かれていました。

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Sundance Aviation Rickさんから1週間貸していただいたLS4



 

Moriarty Airportは6200feetMSLに位置している点が他とは大きく異なる点ではないでしょうか。したがって、3月中旬から9月下旬までのソアリングシーズンはサーマルトップが20000feet近くになることも珍しくなく、さらに西20kmに連なっている山脈からのwaveの影響下になるために、酸素の携帯が必要になります。グライダーを初めて2年が経ちましたがこれほど高いところを飛行したことはありませんでした。妻沼では空域の関係で低いエリアしか飛ぶことができず、昨年の夏に訪問したFlorida Seminole Lake Gliderportのサーマルトップは平均的に1500m程度でした。また冬に行ったAustraliaのBenallaはローカルで3000mを超える日はほとんどなく、酸素を必要とはしていませんでした。ただBenallaのクロスカントリーパイロットの方々は、サーマルトップが高い北東のNarromine方面へフライトすることが多く、酸素は十分に携帯してました。

 

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Moriarty の大きな格納庫はレールが敷かれ、回転式になっているため便利

 



 

今回はが初めて酸素を使ったフライトになることから、十分準備してフライトに臨みました。知識面は紹介していただいたDancing with the wind というwave flightに焦点を当て、高高度飛行における酸素の重要性を解説した本で準備しました。また、お世話になったSundance Aviation のインストラクターに十分にレクチャーしてもらい、フライト中は定期的に酸素濃度測定器を用いて、体内酸素濃度を知るとともに、細心の注意を払いました。今までと異なった点は、フライト後の疲れがかなり違うということです。オーストラリアで5時間以上のフライトを何回か行いましたが、Moriartyでは2時間ぐらいするとかなり疲労感を感じはじめました。

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綺麗な地平線

 

2,Sundance Aviationでのライセンス取得での可能性

日本で満足できるようなフライト環境にない場合、海外でのライセンス取得を視野に入れる人も少なくないと思います。私は、Florida Seminole Lake Gliderportでライセンスを取得し、同期はArizonaで1月に試験をパスしました。過去に海外でライセンスを取得してこられた、偉大なる先輩方から多くのアドバイス渡航前からいただき、助けていただきました。Florida Seminle Lake Gliderportには日本人のインストラクターがおり、過去に多くの先輩がこの地でライセンスを取得してこられたので、大きな迷いもなかったです。基本的にFloridaでは2月から4月の春合宿と7月から9月下旬に行なわれる夏合宿が有り、様々な大学の航空部の若者から60代くらいまでの方々が参加して行なわれます。天候が非常に安定しており、毎日フライトする環境があるので自分の満足が行くまで楽しめます。本当にしっかり学んで飛びたい人にはおすすめです。簡単にライセンスが取れるだろうと甘く見て中途半端な気持ちでFloridaに行くと数日でやめてしまいます。

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比較的Out landing できる場所は多い

 

今後アメリカでライセンス取得したい人、4年間の大学生活ではソロになんとか出れる環境しかない人がいると思うので、少しでも参考になればと思いSundance Aviationを紹介させていただきます。Sundance Aviation には2名のインストラクターが常駐しており、複座練習機TWIN2 3機、LS4(総飛行時間100時間程度は必要。Rickさんより)借用することができます。もし、日本から大学生がライセンスを取得するためくることができるのか、尋ねたところ回答はYesでした。

もちろん前提として、Glider Flying Handbookを英語で理解できることと、オーラル試験をパスする程度の英語力は必要となってきます。

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画像よりも近くを旅客機が通過



 

Sundance Aviationは4月から毎日営業しており、訓練生の予定に合わせてスケジュールを組み立てることができ、やる気があれば毎日フライトすることができるとおっしゃっていました。複座機も3機あるので、ソロに出た後は、順番を気にすることなく思う存分グライダーを楽しめる環境が整っています。機体借用費用も一回のフライトのminimum feeは設定されていないため、飛んだ分だけの支払いになります。自分もアメリカでの訓練中に知ったのですが、トラフィックパターンで5分だけのフライトを行った場合でも、30ドル程度のminimum feeが設定されていることが多く、想像以上に訓練費用がかかってしまいます。これとは異なり、真にフライトした分だけの請求されるので損にはなりません。加えて、3時間以上飛んだ場合(per a flight)でも、3時間までの費用になるので少しお得です。日本と違い、サーマルが強く、長時間安定的にサーマルがあるので、普通に飛べば1回で3時間は簡単に超えます。

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エンジ色で美しいDiscus



 

Moriartyのソアリング条件が一番良いのは6月から7月上旬で主にサーマル、wave、ridgeを楽しめます。オーストラリアのソアリングシーズンではないこの時期ならMoriartyは最高の環境ではないでしょうか?以下がSundance Aviationのリンクになります。

Sundance Aviation, Glider Rides, Albuquerque, New Mexico, Soaring, Fly

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ドイツから納品されたばかりのVentus 3.



 

6月にはアメリカ留学が終わりますが、日本に帰る前に最後のグライダーのトレーニングとしてNevadaのMinden-TahoeかFrance 

 

Serres La Batie or Saint Auban(Duo Discusコース)でwaveとridge soaring の基礎を身につけるために訪問予定です。

 

誰かの役に立つような情報を発信していきたいと思います。

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最終日はwave condition

 

アメリカ Moriarty, New Mexico glider 遠征

3月22日金曜日でUniversity of California, Irvine の第2クウォーターが終わります。そこで、明日から4月2日までアメリカニューメキシコ州Moriarty Airportにグライダーを求めて行ってきます。

 

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Benalla, Australia in Junior

1、これまでに訪問した空港

これまで海外では、Florida, Benalla(Australia), Califroniaの滑空場に行きました。

8月3日〜9月10日 Florida, the United States  @Seminole Lake Glider Port

12月18日〜1月6日 Benalla Airport, Australia    @Gliding Club of Victoria

1月14日 California, the United States  @Skylark Air Field Cypress Soaring

1月28日 California @John Wayne Airport C172

 

明日から滞在するニューメキシコ州のMoriarty Airportは、現在いるロサンゼルス近郊から車で1400km, 15時間の道のりです。MoriartyのソアリングシーズンはOnline Contestを参照するとだいたい、3月の第3週目から始まります。ちょうど先日、Online Contest

https://www.onlinecontest.org/olc-3.0/gliding/flightsOfAirfield.html?aa=MORIA1&st=olcp&rt=olc&c=C0&sc=&sp=2018

をみると、今年も例年通りソアリングシーズンがやってきたようです。

 

前回オーストラリアのベナラを訪問した際は、メルボルン空港から電車で3時間ほどかかりました。3週間の滞在中は車を持っていなかったため、毎日徒歩15分くらいかけてベナラの街に出かけていました。天候が悪い日などを常にクラブハウスで様々な人のログを見ていました。車がないと非常に不便で、何回もベナラのパイロットの車に乗せてまらいました。帰るときにはメルボルン空港まで2時間かけて車で送ってもらいました。ありがとうございました。

 

今回は、車で15時間かかってしまいますが、荷物が非常に多くなることとガソリンが日本に比べるとかなり安いので、車を選択しました。Moriarty での滞在先は留学生が旅行にいく時にほとんど利用している、Air Bnb

www.airbnb.jp

で確保しました。1泊あたり2000円程度で借りることができました。おすすめです。外食だと費用がかかることもあり、家から炊飯器と米を持って行き、曳航料、機体借用費用のために節約をします。

 

 

アメリカの滑空場はSoaring Society of Americaのサイトから調べることができます。

http://www.ssa.org/

 

2、Sundance Aviation

https://soarsundance.com/

今回お世話になるのはSundance Aviationです。この地を選択した理由は、Online Contestなどを見ても、アメリカでも有数なソアリング環境だったからです。Minden-Tahoe(California and Nevada), Texas(Soaring Club Houston), Nephi(Utah)なども検討しましたが、単座機のラインナップやソアリングシーズンを考慮した結果,Moriartyになりました。具体的には、Sundance AviationからLS4-aをお借りする予定です。機体借用費用が1時間55ドルで、3時間以上飛んでも、Max3時間分の料金しか請求されません。この価格が大きな決めてでした。

 

また、日本に帰ってからのことも考えて単座機を選択しました。主に将来的に乗る可能性があると思われる(詳しいことは不明、自分の見解LS4discuss保有してて、Commercial Operationをしているところを選びました。アメリカではcommercial operation(海外からきたパイロット向けに運営を行っているクラブ)をしているクラブはかなり少なく、3月がソアリングシーズンの場所はほとんどありませんでした。

 

3、Soaring Nevada, California and Nevada(Minden Soaring Club

https://soaringnv.com/

最初は、次の目標へのステップとして、カリフォルニアとネバダの境にあって、主にシエラ・ネバダの山脈のwave を利用してクロスカントリーが行われている、Minden-TahoeのSoaring Nevadaにお世話になろうと考えておりました。ただ、春先にかけてはWave コンディションが期待できるものの、4月から、本格的なソアリングシーズンが開幕になるので、3月は飛んでいるパイロットはいないとメールで連絡を受けました。Soaring NevadaDuo Discus 2機Discusを所有しているので、環境はほとんど完璧でしたが、現地のクロスカントリーパイロットとコンタクトできる時間がないので、諦めました。

 

4、Texas, Soaring Club of Houston

https://tsa.wildapricot.org/

次に同じく3月から秋にかけてソアリングシーズンが始まる、TexasのHoustonを検討して見ましたが、このクラブを地元の人達向けの運営を行っており、Discusをクラブ機として所有してたものの、1日中借りることは不可能でしたソアリング環境は最高なので、留学などでテキサスに長期間いく場合は、ユースクラブ会員として加入すれば、比較的安価な月会費でフライトすることができるようです。

 

5、Arozona Soaring

http://www.azsoaring.com/

アリゾナ州にあるArizona SoaringはCommercial Operationをやっており、日本人も多く訪れるみたいです。ここは主に、Private Pilotの取得のためにフライトトレーニングをしており、他には類を見ない数の練習用複座機があります。ASK21などではなく、ゴツゴツとした見た目の練習機だけで、レンタル様の単座機はないです。短期間でライセンスを取得するためならば、他の人を気にかける必要がなくフライトができるので良いかもしれません。したがって、愛機がないパイロットには向いてないです。

 

6、Seminole Lake Glider Port

http://www.soarfl.com/

はこの地でライセンスを取得しました。主に3月がソアリングシーズンで、3月にはSenior Soaring Championshipが開催されております。宿泊施設も完備されており、グライダーをするには最高な環境があります。毎日安定的に1000〜1500m程度のサーマルトップになり、飛べない日がほとんどありません。練習用複座機としてBlanik L23が2機ありましたが、1機は翼にダメージを受け、今はBlanik L23は1機みたいです。他にはG103があり、ほぼ日本人の訓練生専用の機体です。フロリダにきた日本人訓練生は、日本の様に、いつ飛べるのか心配する必要がなく、思い切りソアリングが楽しめます。ただ、レンタル様の単座機はないので、単座で飛びたい人には向いてないです。

 

 

以上長くなりましたが、春の滞在先として検討した場所になります。他にもいろいろありますが徐々に書いて行こうと思います。明日から、準備をしっかりして新天地でのソアリングを安全第一で楽しみたいと思います。ありがとうございました。

 

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                                                   Gliding Club of Victoria

グライダー オーストラリア遠征 No2 準備編

こんにちは。昨日に続き大学の冬休み期間中に訪れたオーストラリアでのグライダーライフについて書いていきます。

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Gliding Club of Victoria の大きな格納庫


1、オーストラリアに行こうと決めた時期

8月3日から9月10日までFAA glider private pilot license取得のためにフロリダのSeminole Lake Glider Port

http://www.soarfl.com/

に滞在しておりました。ここでは日本人の教官にお世話になり、非常に充実した指導を受けることができました。フロリダでのフライトについてはまた今度、詳しく書いて行くことにします。

8月31日に実地試験とオーラル試験を受けて無事自家用操縦士になることができました。そして留学が始まるので、カリフォルニアにきたわけですが、毎日フロリダで飛んでいたので、留学が始まってからは次はどこで飛ぼうかずっと考えておりました。選択肢としては、日本に帰国してからのことも考慮してウインチのトレーニングを受けるか、遥か彼方のオーストラリアに行くか迷っていました。そんな時に、ある方からのアドバイスによりオーストラリアに行きたいという気持ちが強くなりました。

 

結果的に10月上旬にはGliding Club of Victoriaにコンタクトを取り、SZD51JuniorとLS4-aの機体の予約をすることができました。海外でフライトをする際には、グライダークラブにメールを送ることになると思いますが、諦めずに何回かメールを送った方が良いかもしれません。このGliding Club of Victoriaはメールの返信が非常に早く特に問題にはなりませんでしたが、春休みにフライト予定のアメリカニューメキシコ州のMoriartyというところのグライダークラブ(Sundance Aviation)は3回メールを送っても返信がありませんでした。諦めず、さらにメールを送りなんとか2月下旬に連絡が取れ、単座機(LS4)を借りることができました。Moriartyでのフライトが楽しみです。

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お世話になったJunior VH-XOB

 

2、滑空場の選択

参考程度に視野に入れて考えていた世界の滑空場を載せておきます。

アメリカ

Seminole Lake Glider Port in Florida

Warner Springs Glider Port in Southern California

Minden Tahoe Airport in Nevada

Williams Soaring Center in Northern California

オーストラリア

Waikerie in Australia

Lake Keepit Gliding Club

Narromine in Australia

Tocumwal in Australia

イギリス

Lasham Glider Port in the United Kingdom

 

飛ぶ場所を選んだ際には、単座機の種類、借用条件、借用費用、曳航料金、ソアリング環境を考慮して考えました。また毎日訪問先の滑空場がオペレーションをしていなければもったいないので、営業日にも注意しました。

 

結果的にAustralia, Benalla AirportにあるGliding Club of Victoriaにしたわけですが、機体借用費用が圧倒的に安いこと、毎日オペレーションしていることが決めてになりました。

 

3、Gliding Club of Victoriaの1日

基本的には毎日9時からクラブハウスにてweather briefing が行われます。オーストラリアにきて、最初に驚いたのがこのweather brifingです。Sky Sight などの気象ソフトを用いて解説が行われるわけですが、いきなりTopが10000feet以上になると聞いて、胸の高まりを抑えることができず、自然と笑顔になります。

 

妻沼だと空域の制限などもありサーマルトップが3000feetであれば訓練条件としては十分です。またフロリダのSeminole Lake Glider Portであれば毎日ソアラブルな条件となり、サーマルトップはだいたい4000feetぐらいの日がほぼ毎日続きます。

これまでに比べるとこのオーストラリアのベナラの環境は別格であることが明らかになります。また、ベナラの北東に位置し、多くの日本人学生が行くナロマインはさらにサーマルトップが高く、素晴らしい積雲の世界が待っております。

 

天気の流れを見て、その日どのようなタスクを飛ぶか提案されるわけですが、多くのクロスカントリーパイロットが連日500km以上のタスクを設定しているのを見て、自分の視野の狭さに気づかされました。曳航機パイロットに離陸時間を伝え、多くのパイロットは12時前後に出発してビッグタスクに挑んで行きます。12時前後は20機近くの機体がガグルを組んで上がっていくので、他のパイロットの邪魔にならないようにSZD51 Juniorで食料、ドリンク、GPSの準備をして最後に離陸して行きました。

 

離陸後はパイロットの判断で良いサーマルを見つけ次第いつでも離脱することができます。エアボーン直後から、今までに経験したことのないほど強烈なサーマルにあたり、水バラストを搭載していないJuniorはみるみるうちに高度が上がってきます。この瞬間から、気分は最高潮です。通常2500feet程度で離脱してセンタリングしてソアリングしていくわけですが、オーストラリアのサーマルには感動の連続です。

 

体力と集中力が持つ限り、ひたすらセンタリングの練習をしていました。初めてJuniorに搭乗した時は、時が経過するのも忘れ着陸した時間を確認すると5時間57分が経過していました。

 

その後は、機体を格納庫に入れ、清掃をしてクラブハウスに戻り夕食を食べるのが日常でした。夕食を食べながら、他のベテランパイロットの方々とその日のログを見ていろいろな話をして盛り上がりました。特に、彼らのサーマルの選択クルーズ速度は信じられいほどです。これから生涯をかけてクルーズ速度とクライムレートを磨いて行くことになります。

 

夜のベナラは何にもないので、満点の星空が広がり、まさに自然の壮大さを感じて1日が終わります。今でも忘れられません。これからも通うこと間違いありません。

 

 

4、Gliding Club of Victoriaについて

このクラブはNarromineTocumwalなどとはオペレーションが少々異なります。基本的に11月上旬から3月終わり頃まではオーストラリアのグライダーシーズンです。Benallaはほとんどのパイロットは地元の人で、それぞれが自慢の愛機を所有しています。そのため、平日はクラブの機体がほぼ空いており、事前に予約すれば借用することができます。また週末は、日本の航空部のように、地元のユースパイロット向けのソロに向けたトレーニングコースが設置されております。したがって、20歳以下のパイロットがソロに向けて訓練フライトをしています。平日と週末の運営形態が若干異なるのが特徴です

 

クロスカントリーパイロットの中には、毎年イギリスから6機のグライダーコンテナに入れてベナラに持ってきているパイロットもいました。

ベナラのクロスカントリーパイロットの方々には、機材の面(GPS, See You)や、クルーズ速度の選択の仕方などこれから役に立つような知識をたくさん教えていただきました。ある程度の英語力がある日本人学生なら思い切って一人でも行ってみると良いかもしれませんきっとベナラの最高な環境がやみつきになってしまうと思います。

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最後に乗った LS4-a

 

5、オーストラリアで飛ぶための手続き

オーストラリアに大学生が行くとしたら、おそらくFAI国際滑空記章の挑戦がほとんどであると思います。記章トライの際にはGFA(Gliding Federation of Australia)メンバー登録が必要になってきます。GFAのサイトから有料ではありますが、簡単に登録することができ、すぐ会員番号が発行されます。出発前に登録を済ませておくことをおすすめします。以下のサイトから登録することができます。

http://www.admin.glidingaustralia.org/index.php?option=com_chronoforms5&chronoform=NewMember6D

 

 

オーストラリアでの話はまだまだたくさんあるのでこれから数回書いて行こうと思います。それでは。

 

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Junior 5時間トライ

 

 

 

グライダー オーストラリア遠征 No1

 

こんにちは。はじめまして。現在早稲田大学国際教養学部2年生で、カリフォルニア大学アーバイン校に留学しています、HIKARUです。よろしくお願いいたします。

 

ということで、このブログでは主にグライダー(Glider/ Sailplane)について書いて行こうと思います。留学中ということで、少し時間に余裕があるので、これまでアメリカやオーストラリアで飛んだ経験を基に少、日本の航空部の大学生や、グライダーに興味がある人向けに更新していこうと思いますので、暇なときにでも読んでください。

 

 

さて、第1回目の記事ということで、大学の冬休み期間中に訪れたオーストラリアでのフライトについて書いていきます。目的は、FAI国際滑空記章 銀章トライです。3週間の滞在期間の中で、5時間滞空50km距離飛行獲得高度1000mを達成する必要がありました。結果的に達成することができました。役に立てるように細かく書いていくので、これからオーストラリアでのフライトを考えている人の参考になればと思います。

 

12月15日から1月7日までは大学の冬休みでした。12月15日金曜日にlinguististcsの期末テストが3時まであり、そのあと急いで準備をしてロサンゼルス国際空港(Los Angeles International Airport)に向かいました。22時35分LAX発 United Airlineのオーストラリア、メルボルン行きを利用しました。16時間のフライトを経て、12月17日午前11時にMelborneに到着いたしました。

 

今回のフライト先として選んだのはオーストラリアのヴィクトリア州に位置するベナラ滑空場(Benalla Airport)です。このベナラという地はメルボルンから電車で3時間程で、小さな街です。メルボルン空港から市内を走っている、バス20ドル程度に20分乗りSouthern Cross Stationに向かいました。この駅はメルボルンの中心的な駅で多くの人で賑わっていました。私はSky Busと電車を使ってベナラに行きました。以下が電車とバスのサイトです。

SkyBus - Southern Cross Station

 

ここで注意しておきたいことは、週末の場合はSouthern Cross Station からベナラまでの列車が1日に2本しかないということです。12時の電車に乗る予定でしたが、空港の税関を通過するのに予想以上の時間を要してしまい、逃してしまいました。結果的に6時の電車に乗ることになったのですが、エンジントラブルなどからさらに1時間遅延し、ベナラに到着したのは11時過ぎでした。今度行きたいと思っている人は、余裕のある計画が大事です。

 

私は、190cmと身長が高いのにも関わらず、エコノミークラスで16時間のフライトを耐え、さらに電車が遅延していたので、かなり疲れていました。

 

しかし、たまたま乗った電車でベナラでのグライダー生活の頼りとなる、スイス人パイロットと出会いました。彼は、スイスで院を卒業したあと就職してからグライダーを始め、グライダーの素晴らしさに気がつき、今は飛びまくっているみたいです。電車の中でBenalla Airport の運行要領などを確認し、ベナラで使用予定だったLS4-aの機体特性などを教えてもらい充実した時間を過ごせました。

 

無事にベナラの駅に到着したはいいものの、時刻は11時を過ぎ、あたりは灯りもほとんどなく、満点の星空が広がっていました。ここで、スイス人パイロットは自転車を持っていたので先に行ってるよといい、私は暗闇の中一人になってしまいました。

 

simカードも持っていなかったので、ネットが使えず、感覚でBenalla Airportを目指しました。しかし、なかなか目的地には辿りつかず、結局到着したのは2時過ぎでした。

ただ、宿舎の鍵を見つけることができず、この夜は、スイス人パイロットのテントで夜が明けるのを待ちました。

 

 

無事に夜が明けました。今回お世話になったのはGliding Club of Victoria という世界でも有数のグライダークラブです。今年のGlider Online Contestを参照しても、グライダー聖地とも言われるNarromineと並ぶクロスカントリーが盛んな場所です。

http://www.glidingclub.org.au/

ある程度の英語能力があるのならば、大学航空部の人にはここをおすすめします。ここ以外のオーストラリアの滑空場には行ったことはありませんが、Webページなどを見て比較すると、機体の借用費用、機体のラインナップ、宿泊費用、周りの環境を考慮してもおそらく、大学生に最適な環境であるのではと思います。

 

Gliding Club of Victoriaは機体の借用費用が、多くの日本人が行くTocumwalやNarromineと比べて圧倒的に安いです。これは、大学生にとっても大きなメリットではないでしょうか?機体のラインナップと1日の機体借用費用は

LS4-a 2機➡︎148ドル

LS7➡︎148ドル

LS3➡︎148ドル

SZD-51 Junior➡︎100ドル

ASK21 2機➡︎186ドル

TWIN2➡︎186ドル

Duo Discuss➡︎320ドル

以上になっています。詳しくはこちら

http://www.glidingclub.org.au/Documents/GCV%20SOC%202017-2018.pdf

おそらく大学生はLS4やJuniorなどを借りることが多いので、曳航料金を含めても2万円以内になります。日本での航空部での訓練とは違い、1日時間制限なく好きなだけ飛ぶことができるので、費用対効果を考えると他のオーストラリアのクラブより圧倒的に安いと思います。体力と集中力があれば通常、気温が上がるのを待ち、12時くらいに離陸し、7時くらいまで飛ぶことができます。

また、Gliding Club of Victoriaには常に30人程度のクロスカントリーパイロットがいますが、ほぼ全員がASG29E, Ventus, Nimbus, Discuss, Libelle, LSなどを所有しているため、ほとんどのクラブの機体の予約は空いているので、3週間ずっと機体を借りることができ、フライトに専念することができました。

 

加えて、ユース会員になってしまえば、複座でトレーニングする際にも、素晴らしいクロスカントリーパイロット達から、インストラクター費用は0円で、クロスカントリーの指導をDuo Discuss で受けることができます。他のクラブの場合、世界中のパイロット向けの商業的なオペレーションをしているので、機体借用費用が1日スタンダード機の場合2万円以上かかり、曳航料金が6000円程度、さらにインストラクター費用が1時間7000円程度かかります。

仮にDuo Discuss で4時間のクロスカントリーにいく場合は機体費用が3万程度かかり、全て合わせると6万4000円程度かかることになり、いくらグライダーが好きな大学生でも現実的な金額ではありません。

 

それに比べて、Gliding Club of Victoriaは費用の面でとても親切で、周りのクロスカントリーパイロットの人々とコミュニケーションを図れば、グライダーの知識や、GPSやフライトの分析に関して丁寧に教えてくれます。夜もクラブハウスで美味しい夕食が提供されるので、日本より快適に過ごすことができます。

 

また、FAI国際滑空記章にトライする際にも、親切な公式立会人のパイロットがいるので、問題なく行うことができます。

 

今後オーストラリアに行こうと考えている人はぜひNarromineだけではなく、ベナラ(Gliding Club of Victoria)も視野に入れて見ると良いと思います。

 

次回は、ベナラでの日々のグライダー生活について書いて行こうと思います。ではまた。

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曳航待ちの列

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上空8000feetからのオーストラリア

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