早稲田大学国際教養学部生のGlider Life

カリフォルニア大学アーバイン校に留学中の、早稲田大学国際教養学部2年生。大学から始めたグライダーに魅了され、これから世界各地を飛び回ることを夢見る早大生のブログ。

Moriarty, New Mexico 遠征

3月22日から4月2日にかけて、New Mexico, Moriarty Airportに行ってきました。今回はこれまでと違い非常に短い滞在となりましたが、新たな地で飛ぶことにより経験を積むことができました。

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Moriarty1日目のcloud street

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New Mexicoでバッテリーが上がり交換

1, Moriarty Airport Sundance Aviationについて

Moriarty Airportはニューメキシコ州の中心都市から、車で50分(45mile)程度のところに位置しております。当該空港は、日本など滑空場とは違い、グライダーに加えて小型飛行機の訓練が行われております。Moriartyの利点は抜群のソアリング環境です。Online ContestによればMoriartyはクロスカントリーがもっとも行なわれており、約35人ほどのパイロットがグライダーを楽しんでいます。Moriartyの他には、Minden-Tahoe, Texas, Utah(Nephi), Floridaなどがあります。オーストラリアの滑空場とは異なり、基本的にはMoriartyの地元の方々がグライダーを楽しんでおり、日本人である私が行った際は大変驚かれていました。

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Sundance Aviation Rickさんから1週間貸していただいたLS4



 

Moriarty Airportは6200feetMSLに位置している点が他とは大きく異なる点ではないでしょうか。したがって、3月中旬から9月下旬までのソアリングシーズンはサーマルトップが20000feet近くになることも珍しくなく、さらに西20kmに連なっている山脈からのwaveの影響下になるために、酸素の携帯が必要になります。グライダーを初めて2年が経ちましたがこれほど高いところを飛行したことはありませんでした。妻沼では空域の関係で低いエリアしか飛ぶことができず、昨年の夏に訪問したFlorida Seminole Lake Gliderportのサーマルトップは平均的に1500m程度でした。また冬に行ったAustraliaのBenallaはローカルで3000mを超える日はほとんどなく、酸素を必要とはしていませんでした。ただBenallaのクロスカントリーパイロットの方々は、サーマルトップが高い北東のNarromine方面へフライトすることが多く、酸素は十分に携帯してました。

 

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Moriarty の大きな格納庫はレールが敷かれ、回転式になっているため便利

 



 

今回はが初めて酸素を使ったフライトになることから、十分準備してフライトに臨みました。知識面は紹介していただいたDancing with the wind というwave flightに焦点を当て、高高度飛行における酸素の重要性を解説した本で準備しました。また、お世話になったSundance Aviation のインストラクターに十分にレクチャーしてもらい、フライト中は定期的に酸素濃度測定器を用いて、体内酸素濃度を知るとともに、細心の注意を払いました。今までと異なった点は、フライト後の疲れがかなり違うということです。オーストラリアで5時間以上のフライトを何回か行いましたが、Moriartyでは2時間ぐらいするとかなり疲労感を感じはじめました。

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綺麗な地平線

 

2,Sundance Aviationでのライセンス取得での可能性

日本で満足できるようなフライト環境にない場合、海外でのライセンス取得を視野に入れる人も少なくないと思います。私は、Florida Seminole Lake Gliderportでライセンスを取得し、同期はArizonaで1月に試験をパスしました。過去に海外でライセンスを取得してこられた、偉大なる先輩方から多くのアドバイス渡航前からいただき、助けていただきました。Florida Seminle Lake Gliderportには日本人のインストラクターがおり、過去に多くの先輩がこの地でライセンスを取得してこられたので、大きな迷いもなかったです。基本的にFloridaでは2月から4月の春合宿と7月から9月下旬に行なわれる夏合宿が有り、様々な大学の航空部の若者から60代くらいまでの方々が参加して行なわれます。天候が非常に安定しており、毎日フライトする環境があるので自分の満足が行くまで楽しめます。本当にしっかり学んで飛びたい人にはおすすめです。簡単にライセンスが取れるだろうと甘く見て中途半端な気持ちでFloridaに行くと数日でやめてしまいます。

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比較的Out landing できる場所は多い

 

今後アメリカでライセンス取得したい人、4年間の大学生活ではソロになんとか出れる環境しかない人がいると思うので、少しでも参考になればと思いSundance Aviationを紹介させていただきます。Sundance Aviation には2名のインストラクターが常駐しており、複座練習機TWIN2 3機、LS4(総飛行時間100時間程度は必要。Rickさんより)借用することができます。もし、日本から大学生がライセンスを取得するためくることができるのか、尋ねたところ回答はYesでした。

もちろん前提として、Glider Flying Handbookを英語で理解できることと、オーラル試験をパスする程度の英語力は必要となってきます。

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画像よりも近くを旅客機が通過



 

Sundance Aviationは4月から毎日営業しており、訓練生の予定に合わせてスケジュールを組み立てることができ、やる気があれば毎日フライトすることができるとおっしゃっていました。複座機も3機あるので、ソロに出た後は、順番を気にすることなく思う存分グライダーを楽しめる環境が整っています。機体借用費用も一回のフライトのminimum feeは設定されていないため、飛んだ分だけの支払いになります。自分もアメリカでの訓練中に知ったのですが、トラフィックパターンで5分だけのフライトを行った場合でも、30ドル程度のminimum feeが設定されていることが多く、想像以上に訓練費用がかかってしまいます。これとは異なり、真にフライトした分だけの請求されるので損にはなりません。加えて、3時間以上飛んだ場合(per a flight)でも、3時間までの費用になるので少しお得です。日本と違い、サーマルが強く、長時間安定的にサーマルがあるので、普通に飛べば1回で3時間は簡単に超えます。

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エンジ色で美しいDiscus



 

Moriartyのソアリング条件が一番良いのは6月から7月上旬で主にサーマル、wave、ridgeを楽しめます。オーストラリアのソアリングシーズンではないこの時期ならMoriartyは最高の環境ではないでしょうか?以下がSundance Aviationのリンクになります。

Sundance Aviation, Glider Rides, Albuquerque, New Mexico, Soaring, Fly

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ドイツから納品されたばかりのVentus 3.



 

6月にはアメリカ留学が終わりますが、日本に帰る前に最後のグライダーのトレーニングとしてNevadaのMinden-TahoeかFrance 

 

Serres La Batie or Saint Auban(Duo Discusコース)でwaveとridge soaring の基礎を身につけるために訪問予定です。

 

誰かの役に立つような情報を発信していきたいと思います。

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最終日はwave condition